懲りずに言うよ、何度でも
「それ、本気で言ってる?」
「・・・・え、あ、」
今、自分は何を言ったか。
静寂の中で自分の血が引いていくのが、ゆっくり理解できた。 罵られても笑われても、取り返しはつかない。
「や、なんでもない! 今のナシ!」
小さな友人を頼ったはいいが果たしてこの判断は良かったのかどうか、 思考の停止とはよく言ったものだ。ちゃんと静かに動いている。妙に冷静に自分の失態を理解している。
「聞き間違いでなければ・・・・プレゼントは君でいいかって、言ったよね?」
「冗談だろ、本気にすんな!」
「ナシ、って君」
「よ、妖精が、さ。こう言えばプレゼント無くてもお前が喜ぶって言うから・・・・」
羞恥のあまり、声も身体も小さく縮んで今にも逃げ出しそうなイギリスを見て、 自分はなんて不謹慎なんだろうか、 笑顔になってしまうのが分かった。
「本気だったんだね。 ・・・熱は? 風邪でもひいた?」
「熱なんかあるわけ無いだろ! バカ、触るな!」
冗談交じりにさわりと撫でた額にはぽちうぽつと汗が浮かんでいて、 ただのジョ−クで片付けるにはあまりに必死な態度に目を丸くすると、イギリスは逃げてしまう。
「欲しい、って言ったら?」
「な、」
「俺はそのプレゼントがを欲しくてたまらないよ。それでも、本気じゃないの?」
外方を向いたイギリスの目の前にしゃがみ込み両手にそっと触れ、声音は一変、 優しさを音にしたみたいに残念そうに問えば、 ようやく絡んだ視線の先で恥ずかしさと諦めを込めたイギリスの顔が間近にあった。
「・・・・ほんき、だ」
「じゃあ、遠慮なく貰ってもいいよね?」
唇を重ねられる前に、目を瞑って暗闇に己を投じる。頬に添えられた手の平はとても熱くて、優しくて、 自分の知らないアメリカのいい匂いがした。
唇にそっと何かが触れた。分かってるくせに。アメリカだ。 遠慮しているのかいないのか、もどかしいキス。一度離れて、今度触れた時には固く抱き締められていた。
「・・・・会いたかった。ずっとこうしたかった」
これは夢だ。幸せすぎる。
俺のこの軽い頭が想像して作り出した、身勝手で自分勝手で自己中心的で最低で愚かな夢だ。 それなのに手放したくない。
夢でも覚めないで。醒めないで。褪めはしない幸せな思い出を奪わないで。
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